中古マンションの壁式構造とは?メリットやデメリットについても解説
一見すると似たような中古マンションだとしても、実は構造が全く異なっているものです。
物件に住むうえで構造に関する知識を知っておくと、生活の質を向上できるかもしれません。
そこで今回は、よく見られる壁式構造の特徴や魅力、メリット・デメリットを解説いたしますので、ぜひご参考になさってください。
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壁式構造とは
壁式構造とは他の構造とどのような違いがあるのか、イメージできない方は少なくありません。
普段触れる機会のない建物の構造に関する知識を得て、物件選びに活用してみましょう。
面で建物を支えている
壁式構造は、床や天井などが壁によって支えられている設計となっており、主に6枚の壁で構成されています。
建物を支えるためには、柱や梁などが使われるケースがありますが、壁式構造はこれらを使用せず壁の面で支える構造です。
壁の面だけで建物を支えられるのかと不安に感じる方もいますが、実はこの構造は昔から現在まで多くの建物に採用されているものなのです。
壁といっても一般的なものではなく、鉄筋コンクリートでできた強固なものが採用されています。
これで床と壁がしっかりと接合されているため、少し負荷をかけただけでは簡単に倒壊する心配はありません。
一般的に壁式構造は剛性が高く、耐震性に優れているとされますが、実際の耐震性能は築年数や設計基準、施工品質など、さまざまな要素に左右されるため、必ずしもラーメン構造より地震に強いとはいい切れません。
しかし、阪神淡路大震災においては、多くの建物が被害を受けましたが、一部の壁式構造物件は当時の設計水準や施工精度、立地条件によって相対的に被害が軽減されたと報告されている例もあります。
そのため、中古物件を購入する際は、壁式を積極的に希望する方も少なくないのでしょう。
ただし、これが全ての壁式物件に当てはまるわけではありません。
特徴として柱や梁が使用されずに壁で構成されているので、室内に無駄な凹凸がありません。
すっきりとした間取りが実現できるので、室内で自由にインテリアを考えられる点で評価されています。
低層マンションで壁式構造がよく見られる理由
壁式構造は主に低層マンションで多く見かけるといわれていますが、その理由は建物の強度を保つためです。
先述したように建物の構造上、壁の面によって建物を支える必要がありますが、階数が多ければ多いほど負荷も大きくなります。
たとえば、都心によく見られる高層マンションの場合、下の階への負荷がとても大きくなり、壁の面だけでは建物を支えられません。
そのため、壁式は一般的に低層マンションでよく見られるようになっているのです。
具体的には5階建てまでの物件に多いとされており、それ以上になると多くはラーメン構造になっています。
安全性を考慮したうえでこのような設計がおこなわれているので、中古物件を見る際はチェックしてみましょう。
ラーメン構造との違い
中古物件を見てみると、壁式の他にラーメン構造と呼ばれる設計がありますが、具体的な違いをご存じでしょうか。
そもそもラーメン構造とは、壁式とは正反対に柱や梁などを使って建物を支える設計が採用されています。
もちろん室内に壁は多数ありますが、これで建物の強度を保っているわけではありません。
ラーメン構造の「ラーメン」は食べ物ではなく、ドイツ語の「枠、額縁」を意味する言葉から使われています。
柱と梁を使って枠となる部分を設計し、そこに壁や床などを張っていく工法を採用しているのです。
壁式とは違い、柱や梁などを使用する影響から室内にどうしても凹凸ができてしまう違いがあります。
壁式構造は旧耐震基準採用時代の低層建物でよく用いられていたため、旧耐震基準の中古物件で目にすることがあります。
一方で、ラーメン構造は新旧いずれの耐震基準下でも採用される設計手法であり、必ずしも新耐震基準のみに対応しているわけではありません。
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壁式構造のマンションのメリット
壁式構造の場合、他のマンションには無いさまざまなメリットがあるため人気を集めています。
どのような人気があるのか把握したうえで物件選びをおこない、今後の参考にしてみてください。
耐震性が高い
壁式構造は優れた耐震性がある設計として知られており、自然災害の影響を受けにくいといわれています。
基本構造が壁になっている都合により、横揺れに対する耐性がしっかりしている点で優れているのです。
先述したように、阪神淡路大震災でも壁式の物件は、築年数が古くても残っていたとされています。
日本では、大きな地震が起きる可能性が常に指摘されています。
そのため、不測の事態に対応するためにも、耐震性が高い住まいに住むことは安心要素といえるでしょう。
防音性が高くすっきりしている
鉄筋コンクリートの壁が設置されているため、集合住宅で起こりがちな騒音トラブルに悩まされにくいです。
壁から振動が伝わりにくい構造なので、通常よりも生活音が響きにくくなっています。
また、壁で建物を支える設計上、壁や梁などによる凹凸がなく、すっきりした室内になっています。
凹凸があると家具の設置に苦労してしまいがちですが、デッドスペースが生まれずきれいなインテリアが完成します。
室内の見栄えも良くなるので、住み心地にこだわりたい方に人気がある要素といえるでしょう。
さらに壁式は比較的昔の物件でよく見られるため、中古の場合は安く販売されている傾向があります。
あまり費用をかけたくない場合は、あえて壁式を集中的に探してみるのも良いでしょう。
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壁式構造のマンションのデメリット
多くの方に人気の構造ではありますが、デメリットがある点も留意しなくてはなりません。
リノベーションが難しい
壁式の場合は、建物そのものが壁によって支えられているため、リノベーションが難しい場合があります。
とくに難しいのが、壁の取り外しが必要となる間取り変更を希望している場合です。
壁を取り外してしまうと建物の強度が著しく低下してしまう恐れがあるため、自由に間取り変更ができるわけではありません。
撤去できないケースもあるのを考慮したうえで、リノベーションのプランを決める必要があります。
自分にとって理想的な間取りにしたい場合は、ラーメン構造の物件を購入したほうが現実的です。
住宅ローン控除が利用できない
なかには物件を購入するタイミングで、住宅ローン控除を利用したいと考えている方もいます。
利用するとローンの残高から所得税や住民税が控除されるため、節税対策として定評があります。
費用負担削減に役立つこちらの仕組みですが、旧耐震基準の場合は住宅ローン控除が適用外となります。
そして、壁式の多くは旧耐震基準が採用されているため、住宅ローン控除が利用できません。
しかし、築年数が25年以上の場合でも、耐震適合証明書を取得できた場合は適用となります。
古すぎる物件は危険
壁式はとても強固な設計として知られていますが、あまりにも築年数が古いと危険なのは間違いありません。
築年数が経過すると、どのような建物でも劣化してしまいますが、これは壁式でも同様です。
しばらくの間は本来の品質を保てるかもしれませんが、いずれもともとの機能性を失ってしまうでしょう。
耐震性の低下も結果的に招いてしまうため、大地震が起こったときのリスクも高くなってしまいます。
もし築年数が経過した物件を購入する場合は、劣化状態を必ず確認するようにしましょう。
たとえば外壁がひび割れていないか、鉄骨がサビていないかなどの部分をチェックしなくてはなりません。
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まとめ
中古マンションにおける壁式構造とは、その名のとおり壁によって支えられている設計を指します。
耐震性に優れているため安心して生活できるうえに、凹凸がなくすっきりした間取りが特徴的です。
しかし、リノベーションができないケースがあり、旧耐震基準の場合は住宅ローン控除が利用できないので注意しましょう。
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