マンションの修繕積立金とは?管理費との違いや値上げの理由・適正値を解説
マンションを購入する場合に、住宅ローンの支払い以外にも毎月支払う必要があるのが「修繕積立金」や「管理費」です。
修繕積立金とは何のためのお金なのか、どのくらいが適正値か、よく分からない方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、マンションの修繕積立金とは何のためのものか、管理費との違いや、修繕積立金が値上げする理由、修繕積立金の適正値について解説します。
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マンションの修繕積立金と管理費の違い
マンションを購入すると、住宅ローン返済のほかに、修繕積立金と管理費を支払う必要があります。
ここからは、修繕積立金の目的や、管理費との違いについて解説しましょう。
修繕積立金は建物を維持するための費用
マンションの修繕積立金とは、マンションの老朽化に備え、建物本体や設備を維持するために、建物の診断や修繕工事をおこなう目的で積み立てられる費用です。
賃貸マンションの場合、建物の所有者がマンションのオーナーとなるため、修繕工事もオーナーが責任を持っておこないます。
一方、分譲マンションの場合、区分所有者はマンションの住民であるため、修繕にかかる費用を自分で負担しなければなりません。
そのため、マンションの共有部分については区分所有者全員で維持する必要があり、将来必要な修繕費を少しずつ積み立てる方法が採用されています。
つまり、修繕積立金とは、マンションの建物、とくに共有部分のメンテナンスのために、区分所有者が長期間にわたって管理組合に支払い、積み立てている費用です。
修繕積立金と管理費の違い
修繕積立金と管理費は、一緒に引き落としされることが多いため、同じように考えられがちですが、その意味合いは異なります。
修繕積立金と管理費は分けて計上されるものであり、修繕積立金として積み立てた資金を管理費として使用することはできません。
管理費は、マンションの日常的な保守点検など、一般的な維持・管理・修繕に必要な費用に充てられます。
たとえば、管理人の人件費やマンションの清掃費、建物の共有部分にかかる火災保険や損害賠償保険、共用部分や共用設備の電気・ガス・水道代などです。
一方、修繕積立金は、長期修繕計画に基づく大規模修繕など、特別な維持・管理・修繕のための費用に充てられます。
具体的には、定期的・計画的な修繕費用、不測の事故などによる修繕費用、敷地や共用部の変更や処分に必要な費用などです。
大規模修繕の必要性
マンションでは、10~13年周期で大規模修繕が行われることが多いです。
例として、外壁補修、屋上防水、共有廊下のシート貼り換え、バルコニー部分の鉄部塗装、配管補修などが挙げられます。
マンションの建物の耐久性は昔に比べて格段に向上しましたが、それでも経年劣化は避けられません。
外壁、屋上、エントランス、階段などの共有部分や配管、エレベーター、駐車場・駐輪場のメンテナンスは、快適な居住空間を維持するために重要です。
修繕積立金は、一般的に管理組合が作成した長期修繕計画に基づき、大規模修繕などに使用されます。
ただし、不測の事故や災害など特別な事情が発生した場合、修繕積立金を取り崩して使用することもあります。
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マンションの修繕積立金値上げの理由とは
修繕積立金には、マンション購入時から金額が変わらない「均等積立方式」と途中で値上げされる「段階増額積立方式」があります。
ここからは、修繕積立金が値上げされる理由や、修繕金が不足するとどういう事態になるか解説しましょう。
均等積立方式とは
マンションの修繕積立金における「均等積立方式」とは、計画期間の間に修繕費用を均等に積み立てる方式です。
毎月の修繕積立金が長期間にわたり値上げされないため、長期的な費用の見通しが立つ点がメリットと言えます。
一方で、長期計画の中で修繕にかかる費用を均等に積み立てるため、マンションを購入した直後から積立金が高くなるケースもある点がデメリットと言えるでしょう。
段階増額積立方式とは
段階増額積立方式とは、10年などの単位で徴収する修繕積立金が段階的に値上げされる方式です。
この方式は、販売時に修繕積立金が低く見えるため、マンションの売却がしやすく、購入者も住み始めてからの支払い金額が抑えられる点が魅力と言えます。
しかし、この方式では後々修繕積立金の負担が増加し、場合によってはマンション購入時の金額の2倍以上に値上げされることもあるでしょう。
値上げにより支払いが困難になり、修繕積立金の滞納が発生し、計画通りに増額できていないマンションもあり、問題となっています。
場合によっては一時金の徴収がある
大規模修繕は長期修繕計画に基づいて行われますが、修繕積立金はさまざまな要因によって変動する可能性があります。
たとえば、居住者が望む修繕内容や機能向上に対するニーズ、仕上げ材や設備の仕様、材料費や人件費の変動などがあります。
修繕積立金が不足すると、必要な修繕が実施できなくなるため、場合によっては一時金の徴収がおこなわれることもあるでしょう。
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マンションの修繕積立金の適正値は?
マンションの修繕積立金はそれぞれ異なっていますが、自分が購入しようとしているマンションの修繕積立金の金額が果たして適正値なのか、気になる方は多いと思います。
ここからは、マンションの修繕積立金の適正値はいくらなのか、くわしく解説しましょう。
国土交通省が公表したガイドライン
国土交通省は、2011年に「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を発表しました。
このガイドラインの目的は、マンション購入を検討している方が、分譲事業者から提示された修繕積立金の適正値を判断する際の参考とするためです。
そのあと、「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」は2021年(令和3年)9月に改訂されました。
改定後は、新築分譲マンションだけでなく、既存のマンションにも適用できるよう見直しがおこなわれました。
この内容は、中古マンションを購入する方や、現在住んでいるマンションの修繕積立金が適正かどうかをチェックしたい方にも参考になります。
マンションの修繕積立金に関するガイドラインの内容
ガイドラインでは、実際の「長期修繕計画」の事例を収集し、その平均値や修繕積立金の目安を専有面積の㎡ごとに金額で示しています。
収集された事例には、自ら居住する目的で購入したマンションの、長期修繕計画作成ガイドラインに基づいて作成された計画が含まれています。
また、ガイドラインでは、大規模修繕工事が2回分含まれる計画期間内に必要な修繕工事費の総額と、専有面積あたりの月額単価も示されているでしょう。
さらに、マンションに機械式駐車場がある場合、修繕工事に多額の費用がかかるため、修繕積立金に大きな影響を与えます。
そのため、機械式駐車場にかかる修繕積立金は、特殊要因として別に加算される仕組みとなっています。
ガイドラインの表示方法
ガイドラインでは、階数と建築延床面積ごとに区分が分けられ、それぞれの区分の平均値と幅が表示されています。
これにより、適正値を把握することができます。
修繕積立金については、各マンションによって要因が異なり、金額にばらつきがあるでしょう。
そのため、平均値にくわえて、事例の大部分が収まる範囲を示す「事例の3分の2が包含される幅」も併せて表示されています。
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まとめ
マンションの修繕積立金とは、大規模修繕など特別な維持・管理・修繕のための費用で、マンションの日々の保守点検や維持・管理・修繕に用いる管理費とは違います。
修繕積立金には、金額が変わらない「均等積立方式」と、途中で値上げされる「段階増額積立方式」があります。
マンションの修繕積立金の適正値を知るには、国土交通省が発表した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を参考にすると良いでしょう。
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