住宅ローンに転職が与える影響は?返済中の転職手続きや注意点も解説

住宅ローンに転職が与える影響は?返済中の転職手続きや注意点も解説

マイホームの購入に向けて住宅ローンを利用したいものの、完済までに転職しても良いのかわからず困っている方はいるのではないでしょうか。
この不安を解消するには、転職が住宅ローンにとってどのような影響を与えるのか知っておくことが大切です。
そこで今回は、転職が住宅ローンに与える影響と申し込みのタイミング、返済中の転職時に必要となる手続きなどを解説します。

住宅ローンに転職が与える影響

住宅ローンに転職が与える影響

マイホームの購入時に住宅ローンを利用する際に、転職の事実はローン審査に対して、さまざまな影響を与えるとされています。

住宅ローン審査の重要性

住宅ローンの申し込みを済ませると、金融機関は返済能力があるか確認するため、審査を通じて対象の方にまつわる情報を細かくチェックします。
審査の結果、返済能力に問題がないと判断されれば住宅ローンを組めますが、チェック項目の内容次第では返済能力に不安が残るとの判断が下されることもあります。
もし、返済能力を疑問視されると、将来的に返済が滞って金融機関に被害が生じる可能性が高いとみなされ、審査に落ちるでしょう。
住宅ローンを利用できるか否か判断するための重要な審査において影響を与えるポイントのひとつが、転職なのです。

転職は住宅ローン審査に悪影響をおよぼしやすい

転職の事実が住宅ローン審査に良い影響を与える可能性は低いでしょう。
たとえば、住宅ローン審査でチェックされる項目のひとつに勤続年数があります。
一般的には、同じ企業に3年以上勤めている方のほうが、住宅ローン審査を通過しやすいです。
転職すると勤続年数はリセットされて1年目に戻るため、仮に社会人5年目だとしても、住宅ローン審査の前3年以内に勤め先を変えてしまうと必要条件を満たさなくなります。
たびたび転職を繰り返す方も、安定した収入が見込めないと判断され、住宅ローン審査に落ちる可能性が高いです。
そこで、悪影響を懸念して、転職の事実を伝えずに住宅ローン審査を受けたいと考えている方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、住宅ローンの申し込み書には、転職履歴を記載する欄があるため、転職を隠すことは困難と考えたほうが良いでしょう。

転職が住宅ローン審査に良い影響を与えるケース

原則として、転職は住宅ローンに悪い影響をおよぼすとされていますが、ときには良い影響を与えることもあります。
代表的な例としては、上場企業や大企業など収入アップが見込まれる転職や、キャリアアップにつながる転職などが挙げられます。
これらは転職による返済能力の減少リスクがないと判断されやすいため、住宅ローンを利用できる可能性が高いといえるでしょう。

住宅ローンの申し込みは転職の前と後のどちらか良いか

住宅ローンの申し込みは転職の前と後のどちらか良いか

住宅ローンへの影響を考えると、転職の前にローンの申し込みを済ませたほうが良さそうに感じる方もいるでしょう。
しかし、住宅ローンの申し込みをおこなうタイミングに関して転職の前か後のどちらが良いか決めるには、双方のメリットやデメリットを比較することが重要です。

住宅ローンの申し込みを転職の前に済ませるケース

住宅ローン審査を通過する確率を少しでも高めたい方には、転職前の申し込みがおすすめです。
転職前に住宅ローンを申し込めば、勤続年数がリセットされる心配がなく、審査を受ける段階で有利に働き、無事に融資を受けやすくなるでしょう。
同じ会社で長きにわたり勤務し続けてきた実績は現状だけでなく、将来的な収入の安定性のアピールにもつながります。
しかし、転職前のタイミングで住宅ローンの申し込みをおこなうと、転職後に収入が低くなる可能性もあります。
もし、手取り収入が想定していた金額を大きく下回ると、返済負担が重くのしかかり、住宅ローンの返済が滞るかもしれません。
また、転職先になじめなかったり、慣れない仕事続きで疲弊したりなど、さまざまな理由が原因ですぐに退職し、収入が0円になるリスクもあります。
勤続年数の審査項目を優先するのであれば、転職前に住宅ローンの申し込みをするのが良いですが、年収や勤務先の状況など不確定要素が大きいことを考慮すると、このタイミングは不安が残ります。

住宅ローンの申し込みを転職後に済ませるケース

転職後の住宅ローンの申し込みには、より現実的な返済計画を立てやすいなどのメリットがあります。
すでに新天地での勤務をスタートさせている状態であれば、手取り月収や年収が具体的にわかるため、住宅ローンの返済に充てられる金額を調整しやすいです。
キャリアアップに向けた転職なら増収にもつながり、金融機関に安心感を与えられる可能性もあります。
一方で、先述のとおり、転職後の住宅ローンの申し込みには収入面に対する不安感などデメリットも多いといえます。
しかし、転職から数か月が経過した時点であれば、月収が記された給与明細書が準備可能です。
審査に給与明細書を用いる金融機関を選べば、収入面への不安を払しょくでき、転職後でも住宅ローン審査の通過が期待できます。
転職後でも住宅ローンの利用は可能であることを踏まえたうえで、慎重に申し込みのタイミングを検討すると良いでしょう。

住宅ローンの返済中に転職するときの手続きや注意点

住宅ローンの返済中に転職するときの手続きや注意点

住宅ローンの返済中だとしても、問題なく返済していれば転職は可能です。
ただし、返済中の転職には所定の手続きが必要です。

返済中の転職に必要な手続き①:金融機関への届け出

返済中に転職することになった際は、住宅ローンを借り入れている金融機関へ忘れずに連絡しましょう。
理由としては、住宅ローンの申し込み時に必要となる届け出事項に勤務先の情報が含まれている点が挙げられます。
なお、住宅ローンの申し込みを済ませてから審査結果が出るまでのタイミングで転職したときは、速やかに届け出を済ませましょう。
勤務先に関する内容が、金融機関への告知が必要な情報にあたるだけでなく、新たな情報をもとに再審査することになるためです。

返済中の転職に必要な手続き②:書類の準備

住宅ローン控除が適用されている状態で転職したときは、年末調整のタイミングで所定の手続きが必要です。
年末を迎える前に転職し、なおかつ新しい会社で年末まで勤務した方は、確定申告を1年目に済ませ、2年目からは勤務先が年末調整することになります。
なお、年末調整では以下の3種類の書類が必要です。

●給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
●年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書
●住宅ローンの残高証明書


このうち特別控除申告書と特別控除証明書の2枚は、税務署から確定申告の翌年度に送付されます。
残高証明書は、住宅ローンを返済中の金融機関から交付されるため、まとめて転職先に提出しましょう。

返済中の転職における注意点

転職のタイミングが住宅ローンの返済中になるときに注意したほうが良いのが、転職前後で収入額が異なるケースがある点です。
たとえば、転職前に給与にプラスされていた手当が転職後になくなり、手取り収入が大きく下がることがあります。
前職と比べたときに、年収のうちボーナスが占める割合が大きいケースでは、転職前後で月収に大きな差が生じやすいです。
見通しが甘いと、転職をきっかけに年収や月収が減少し、住宅ローンの返済が難しくなるおそれがあるため、返済計画は慎重に立てることが大切です。
転職先で受け取れる月収の額や年収のうちボーナスが占める割合など、細部まで確認してみてください。

まとめ

転職は住宅ローンの審査に悪影響をおよぼし、審査に落ちる可能性が高まるとされています。
勤続年数を重視するなら転職前、現実的な返済計画を立てたいのであれば転職後に住宅ローンを申し込みましょう。
返済中に転職するときは、忘れずに金融機関へ届け出るようにすることが望ましいです。